複数の敷地にまたがったマンションの登記申請について

不動産登記

皆さんこんにちは。司法書士の松崎充知生(まつさき)です。

相続手続や不動産売買の登記業務をしていると、市境(しざかい)に建っている区分所有建物(マンション)を目にすることがあります。

例えば、敷地の所在が埼玉県越谷市、埼玉県春日部市の二筆,その二つの市にまたがって建っているマンション(住所が埼玉県越谷市)の場合、登記申請はどこの法務局で行えばよいでしょうか。

登記申請をするには、その不動産の所在地(住所)によって申請書類を提出する法務局の管轄が決まっています。

Google検索で「〇〇市 登記管轄」と検索すると、法務省のホームページが出てきて、法務局の管轄がすぐに分かります。

上の例で見ると、管轄について越谷市はさいたま地方越谷支局、春日部市はさいたま地方法務局春日部出張所です。

 

 

こういったマンションの場合は 敷地権登記がされているかどうか によって判断していきます。

敷地権 とは,建物と一体になっている土地の権利状態のことを指します。
土地に敷地権登記がされると、今後は建物とその土地を分離して処分することはできなくなります。
原則として,マンションのお部屋の所有者は,マンション敷地の共有持分も所有しており,
売買等によってお部屋を売却する場合には,マンション敷地の共有持分もセットで付いてくるということになります。

敷地権登記がなされると,その土地の登記簿謄本には、敷地権である旨の記載がなされ、
「敷地権の目的たる土地の表示」の項目も記載されます。
また、建物(お部屋)の登記簿謄本には、「敷地権の登記」の項目が設けられ、土地の情報も合わせて記載されます。

敷地権登記がされているかどうかは、建物(お部屋)の登記簿謄本を取れば
確認できます。土地部分の登記簿謄本は取らなくても良いです。

(土地には所有者の名義も記載されていないので、発行手数料が勿体無いです..。)

敷地権登記がされているマンションの登記申請先は

建物の所在地を管轄する法務局に申請をすればOKです。
(前述の例だと、越谷市の管轄であるさいたま地方法務局越谷支局へ申請することになります)

 

 

最近の新築や築浅マンションはほとんどが敷地権登記がされているのですが、
昭和、平成築のマンションでは敷地権登記がされていないものも存在します。

マンションの建物(お部屋)部分と土地が一体になっていないので、
敷地権登記がされていないマンションは

それぞれの管轄法務局に申請をしていくことになります。

(前述の例だと、建物(お部屋)部分と越谷市の土地持分の登記申請はさいたま地方越谷支局へ、
春日部市の土地持分はさいたま地方法務局春日部出張所へ申請します。)

建物と一体となっていないので建物(お部屋)の謄本からは土地の情報が分からず、土地の謄本も取得して持分を確認していくことになります。敷地の数が2筆ならまだいい方ですが、十数筆あるマンションも存在するのでその分の土地謄本の発行手数料がかかってきます。

書類が揃っていれば同時に申請することができますが、例えば相続登記で戸籍書類一式を1セットしか用意していない場合、登記済証が一つの用紙にまとまっている場合、抵当権設定の登録免許税の軽減を受けたい場合等は法務局へ一箇所ずつ段階を踏んで申請していく必要があるので、登記申請日はずれてしまいます。こうするしか今のところ他の方法がないんですよね、、、。

このような登記申請を行う場合にはご依頼者の方に経緯を説明しています。

マンションの不動産登記を行う際、結構よくあるケースですのでご紹介させていただきました。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

ではまた。(^^

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