みなさん、こんにちは。
司法書士・行政書士の松崎充知生(まつさき)です。
1月26日夕方、このようなニュースが飛び込んできました。
外を歩いていると誰もが見たことがある顔写真かと思います。
連続企業爆破事件の容疑者として全国に指名手配されていた桐島聡(きりしまさとし)容疑者を名乗る男が出てきたと報道されました。警視庁公安部が身柄を確保し、本人特定を急いでいるとのこと。
1975年に銀座の韓国産業経済研究所の入口ドアに手製爆弾を設置し、翌日に爆破させたとして爆発物取締罰則違反の疑いで全国に指名手配されていました。
桐島容疑者は韓国産業経済研究所の他にも鹿島建設株式会社、間組本社ビル、間組江戸川作業所、間組京成江戸川橋工事現場の4つの爆破事件にも関与しています。
すごいですね。半世紀前の事件ですよ。
警察も当時は捜査網を強化していたと思いますが、時間が経ちすぎてどこにいるのか、生きてるかも分からず、世間的にはもう出てこないだろうと思われていました。
上記の顔写真とともに現在の姿として推定される似顔絵も公開されていましたが、一般人だと本人かどうかの判別が困難だったかと思います。
桐島聡容疑者は現在70歳なので、20代に入った頃から逃亡生活が始まったことになります。
これまでの指名手配犯では、リンゼイ・アン・ホーカー殺害事件の市橋達也受刑者が2年7か月間の逃亡、松山ホステス殺害事件の福田和子元受刑者が15年間の逃亡から逮捕に至っています。
その二人の逃亡生活については過去にドキュメンタリー番組で報道されていましたが、この逃亡期間を上回る容疑者が見つかったことは驚きです。
逮捕されるまで行動の自由に制限がかからなくても50年近くも警察に追われて穏やかに生活できないのはそれはそれで苦痛ですね。
見つからないように居住地を転々と移し、自分で整形手術するケースもありますし。
桐島聡を名乗る男は、神奈川県藤沢市の工務店で「内田洋(ウチダヒロシ)」の偽名を使い、働いていたとのこと。
給与は銀行口座が利用できず現金受取り、医療費は保険証が利用せず10割負担をしていました。
一時的に他人の保険証を利用して入院している疑惑も出てきて、マイナ保険証の必要性にまで議論が発展しました。
桐島聡容疑者の時効は、共犯者が起訴された後に国外へ逃亡したことから刑事訴訟法第254条2項により、停止しています。
刑事訴訟法 第254条 時効は、当該事件についてした公訴の提起によつてその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める。
② 共犯の一人に対してした公訴の提起による時効の停止は、他の共犯に対してその効力を有する。この場合において、停止した時効は、当該事件についてした裁判が確定した時からその進行を始める。
e-Gov法令検索 より引用
桐島聡容疑者本人であると特定された場合、本人自身は末期がんを患っていますが、裁判手続は通常通り行われるのでしょうか。
今後の警視庁公安部の経過報告に注目ですね。
それにしても2024年に入ってから色々起こりすぎです。
【追記】
1月29日の朝、桐島聡を名乗る男が入院中の病院で死亡したことが明らかになりました。
やはり50年程前の事件ということもあり、当時の指紋やDNAは残っていなかったんですね。
これで事件の真相は闇の中になりそうですが、警察としては間接資料を取りまとめながらも本人の特定は明らかにして欲しいです。
今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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