みなさん、こんにちは。
司法書士・行政書士の松崎充知生(まつさき)です。
日本で会社経営をする外国人の在留資格「経営・管理」(経営管理ビザ)について、動きがありそうです。
読売新聞でこんな記事がありました。

出入国在留管理庁が在留資格「経営・管理」について、要件の引き上げを進めているようです。
経営・管理ビザは、設立した会社で500万円以上の資本金を用意、または、2人以上の日本人・永住者の常勤社員を雇用した上で、設立した会社名義で日本国内の事務所を借りるといった要件を満たせば、日本に在留することができます。
ビザ申請に向けて、日本にいる協力者を見つけて資本金を日本に送金し、会社を設立登記をして、各行政機関に設立届を出して、事務所を借りて、備品を用意して、事業計画書等の書類を作成する等、事前に用意するべきことが多いですが、資本金の用意が他国よりも低く、500万円以上用意すればビザ申請ができる為、悪用されているケースも多いんですね。
日本の社会保障制度を利用する為に家族を連れて日本に在留している一方で、設立した会社はペーパーカンパニー化されているケースも少なくないです。

出入国在留管理庁では、ビザ申請の審査処理期間が公表されています。
在留資格の中でも「経営・管理」は、審査期間が3ヶ月程度と、在留資格の中でも長めです。
しかし、申請が空いている出入国在留管理局の出張所の審査期間も含まれているようで、3ヶ月で審査が終わるケースはあまりなく、実際のところ、半年以上かかることもあります。
東京出入国在留管理局では1年近くかかっているケースもあるようです。
もはや審査期間が1年以上かかる永住許可申請とあまり変わらない期間になっています。
出入国在留管理局では審査の相談窓口が一応ありますが、そこで審査の進捗を求めても回答はしてくれません。相談窓口の職員と実際に審査をしている職員は別の方になる為、質問をしても回答はごく一般的なものになります。
出入国在留管理局が審査している間、申請した本人は事業活動を行えず、この間にも事務所の賃料が発生している為、経営管理ビザを取得しても、経営は赤字スタートになることもあるのではないかなと思います。また、経営管理ビザの初回の在留期間はほとんどが1年間です。
経営管理ビザの不正利用が増加するにつれて、申請件数も増え、審査官が会社の実態や事業の具体性を判断するのに多くの時間を要している現状があります。
その結果、本来の趣旨に則って正当に申請している方であっても、審査がなかなか進まないという状況が生じています。
今後は資本金の最低額500万円より高く設定し、経営の実態をより細かく審査されることが予想されます。
経営管理ビザの要件引き上げにより、どれくらいの資本金が必要になるか、またどういった条件が追加されるのかまだ未定ですが、ビザ審査に時間がかかりすぎている問題については今後改善されてほしいところです。
ここ最近では、2025年1月に、外国人起業家が日本で起業しやすくなるように「スタートアップビザ」の制度が全国的に始まりました。
出入国在留管理庁へ申請する前に、あらかじめ地方公共団体に対して起業準備活動計画書の提出し、別途審査が必要になりますが、このスタートアップビザを取得すると、経営管理ビザに必要な資本金500万円の準備または2人以上の雇用と、事務所の確保が最大で2年間猶予され、日本に在留しながらこの準備をすることができる為、経営管理ビザの申請に向けての選択肢が広がっています。
経営管理ビザは、要件が緩和されたり、制限されたりと不安定な位置付けなので、申請する時期でどんな基準になっているか再確認していく必要がありますね。
【追記】
令和7年8月26日、出入国在留管理庁から経営管理ビザの要件に関する法務省令案が公表されました。変更点をまとめると、以下の通りです。
【資本金・雇用について】
現行制度:「500万円以上の資本金」または「2人以上の常勤職員」を用意
改正案:「3000万円以上の資本金」及び「1人以上の常勤職員」を用意
【経験・学歴について】
現行制度:経営に従事する場合、経験や学歴を問わない。
事業の管理に従事する場合、経営・管理経験3年以上が必要。
改正案:「経営・管理経験3年以上」か「経営・管理に関する修士相当の学位」が必要。
また、改正案では、事業計画書について中小企業診断士等の経営に関する専門的な知識を有する者が確認をしていることが求められるようになります。
施行は、令和7年10月中旬頃を予定しているようです。
だいぶ厳格になりましたね。これまでの基準で経営管理ビザを取得された方は、今後の更新審査ではどのような取り扱いになるのか気になるところです。

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