相続登記で上申書が不要なケース。被相続人の同一性の証明に関する不動産登記事務の取扱いについて(令和5年12月18日法務省民二第1620号)

相続

みなさん、こんにちは。

司法書士・行政書士の松崎充知生(まつさき)です。

 

不動産の相続登記手続をするには、登記簿上の所有者と被相続人が同一人物であることを証明する必要があります。

被相続人が登記名義を取得したのが最近であれば、被相続人の戸籍書類、本籍記載のある住民票の除票(戸籍の附票)、登記簿謄本の住所、氏名を照合することで同一人物であることの証明ができます。

しかし、登記名義を取得してから時間が経過していて、被相続人の最後の住所と登記簿上の住所が一致しない場合は、他の方法として当時の権利証(登記済証、登記識別情報)を用意したり、相続人全員が別途、上申書を作成する必要がありました。

 

この被相続人の同一性を証明する為の上申書の作成について、令和5年12月18日、法務省より以下の通知がありました。

被相続人の同一性の証明に関する不動産登記事務の取扱いについて(通知)
(令和5年12月18日法務省民二第1620号)

 

この内容を要約すると、以下の要件を満たすと相続人全員の上申書が不要となります。

被相続人の同一性を証する情報として被相続人の住民票(または戸籍の附票)、固定資産税の納税証明書(または評価証明書)、不在籍証明書及び不在住証明書を法務局に提供した場合、

  • 登記簿謄本と納税証明書(または評価証明書)に記載された不動産の表示及び被相続人の氏名が一致している
  • 納税証明書(または評価証明書)と住民票(または戸籍の附票)に記載された被相続人の住所及び氏名が一致している
  • 住民票(または戸籍の附票)と戸籍・除籍・改製原戸籍謄本に記載された本籍及び氏名が一致している

 

また、公正証書遺言により相続登記手続を行う場合、被相続人の同一性を証する情報として納税証明書(または評価証明書)を法務局に提供した場合、

  • 登記簿謄本と納税証明書(または評価証明書)に記載された不動産の表示及び被相続人の氏名が一致している
  • 公正証書遺言と納税証明書(または評価証明書)に記載された被相続人の住所及び氏名と一致し、かつ、公正証書遺言と戸籍等の謄本に記載された被相続人及び相続人の氏名及び生年月日と一致している

 

複数の書類を照らし合わせて間接的でも一致が確認できれば、法務局が登記簿上の所有者と被相続人が同一人物であると認めてくれるということですね。

相続登記では、被相続人の住所が繋がらないことがよくあります。

このような場合には、前述のように相続人の方に権利証をご用意いただくか、上申書の作成に入ることになりますが、遺産分割協議書が必要な場合には、上申書作成に代えて遺産分割協議書に「被相続人の同一性の文言」を入れて登記申請をするようにしています。

遺産分割協議書も上申書も相続人全員の署名、実印押印、印鑑証明書の用意が必要である為、遺産分割協議書に文言を入れておくことで上申書の内容も兼ねることになるからです。

詳細はこちらの記事に書きましたのでご参照下さい。↓

相続登記手続は法務局に提出するべき書類が多くありますので、こういったところで書類準備の負担を軽減させておきたいところです。

今回はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。

それではまた。

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プロフィール
ブログ管理者
まつさき

司法書士/行政書士/宅地建物取引士
鹿児島県出身。9年間、不動産売買仲介の営業職に従事。
契約実績累計400件超を経験し、マンション業界への社外出向を経て、士業へ転身。元競技ダンサー。
休日はアウトドアや観光スポットへよく行きます。
自分の経験則から主に不動産業界、司法書士業界、行政書士業界についての情報を発信していきます。

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司法書士まつさきの登記レポート

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