みなさん、こんにちは。
司法書士・行政書士の松崎充知生(まつさき)です。
既に法務省のホームページで告知がされていますが、令和6年3月1日から戸籍法の一部を改正する法律が施行され、戸籍謄本の広域交付制度が開始されます。
不動産の相続登記や預金解約・生命保険の手続を行う際、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の取得が必要になります。
これまでは被相続人の本籍を調べて、さいたま市役所→新宿区役所→鹿児島市役所といったように出生から死亡までの戸籍書類を集める為に複数の役所へ郵送請求をしていく手間が膨大にかかりました。
しかし、今回の広域交付制度により、令和6年3月1日から最寄りの市区町村役所の窓口で戸籍謄本等をまとめて請求することができるようになります。
※一部事項証明書、個人事項証明書は請求できません。
※コンピュータ化されていない一部の戸籍謄本・除籍謄本を取れない場合があります。
※法務省民事局に問い合わせしたところ、「戸籍の附票」は請求できないようです。
戸籍の附票の根拠条文は住民基本台帳法(16条)であって、戸籍法ではありません。
広域交付で戸籍謄本等を請求できる対象者は以下のとおりです。
- 本人
- 配偶者
- 父母、祖父母など(直系尊属)
- 子、孫など(直系卑属)
※自分の兄弟姉妹は、対象外になりますのでご注意下さい。
この広域交付制度は、戸籍証明書等を請求できる対象者が、市区町村の役所戸籍担当窓口へ直接出向いて請求する必要があります。
その際、運転免許証、マイナンバーカード、パスポート等の顔写真付きの本人確認書類の提示が必要です。
また、注意すべきなのが、郵送請求をする場合や代理人(弁護士、司法書士、行政書士等)による請求は広域交付制度を利用できませんので、これまで通り本籍地の役所にて取得をしていくことになります。
相続登記義務化(令和6年4月1日~)に向けて相続登記の必要書類の手配が軽減されてきましたね。
士業による職務上請求も今回の広域交付制度が利用できればなお良かったのですが、今回は叶わず。今後に期待したいところです。
また、不動産の相続手登記手続には被相続人や相続人の戸籍謄本だけでなく、被相続人の本籍記載入りの住民票除票(または戸籍の附票)も必要になってきます。
相続人の方がご自身で戸籍謄本を手配する場合、被相続人の本籍の記載入りの住民票除票(または戸籍の附票)を取り忘れる方が結構いらっしゃるので役所で必要書類を取得する際はご注意下さい。
相続登記手続の必要書類はこちらの記事で書いてみましたのでご参照下さい。↓↓
今回はここまでです。最後までお読みいただきましてありがとうございました。
それではまた。
【追記】
令和6年4月1日、広域交付制度を利用して自分の戸籍謄本が最寄りの役所で取得できるか検証してみました。
システム上の不具合で少々時間がかかりましたが、埼玉県の市役所で本籍地の鹿児島県の戸籍謄本が取れました。
通常の戸籍謄本よりも文字が若干縮小された状態のものが発行されました。
制度の開始早々、不具合により戸籍謄本が即日発行されなかった役所もあるようなので時間に余裕をもって取りに行った方が良さそうです。
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